自宅の敷地内に電柱があるとき敷地料はいくら?デメリットは?移設はできるのか紹介

「お宅の敷地に電柱を立てたいのですが……」

あまりないケースかもしれませんが、ある日、電力会社の方がわが家にやって来ました。

わが家は築4年。

住宅街の角に位置しており、もともと自宅の敷地と公道の境界に電柱が立っています。

電力会社の方の話を聞けば、公道の整備にあたり、歩行者や緊急車両の通行幅を確保するために我が家の敷地内に移設したいとのことでした。

もちろん強制ではないので拒否もできるそうですが、電気はなくてはならないライフラインのひとつ。

自分なりにメリットやデメリットを調べたうえ、協力する方向で現在も話を進めています。

これから土地を購入する場合にも役に立つ、敷地内に電柱があるときに気になることをまとめましたので、ご紹介します。

 

自宅の敷地内に電柱があるとき敷地料はいくら?

自宅の敷地内に電柱があるとき敷地料はいくら?デメリットは?移設はできるのか紹介に使用している夕方の電柱の画像

そもそも電柱とは、電力会社や通信会社などが設置・管理している柱で、空中に張っている電線の支えの役割をしています。

電力会社が送電・配電するために設置しているものを電力柱(でんりょくちゅう)といい、通信会社などが、電話線や光ケーブルを目的とした電信柱(でんしんばしら)とよぶそうです。

電気と通信を共用で運用する共用柱(きょうようちゅう)もあります。

 

電柱の所有者は?

電柱の所有者は電力会社・通信会社などです。

所有者は電柱番号札などのプレートで表示されています。

電柱番号札が複数ある場合は、一番地面に近い「設置した年」が記されているプレートを設置した業者が所有者です。

 

電柱敷地料は3年に一度まとめて支払われる

ご自身が所有している土地に電柱がある場合、電力会社やNTTから土地使用料として「電柱敷地料」がもらえます。

申請しないと受け取れないので、もし自宅などのご自身が持っている土地に電柱がある方は、受け取っているか確認しましょう。

 
はるちん
受け取っていない方は本当にもったいないので、所有者に問い合わせてみてください!

管轄によって多少の差はあるようですが、3年に一度まとめて支払われるのが一般的です。

 

電柱敷地料はいくら?

電柱敷地料は、所有している土地の種類によって変わります。

田んぼに電柱がある場合は、1本あたり1,870円、畑の場合は1,730円、宅地の場合は1,500円が1年あたりの使用料と決まっています。

わが家の場合は家の裏手に移設するため宅地となり、1年あたり1本1,500円。

3年に一度、申請した口座に4,500円が支払われる予定です。

ほかにも、支柱などを立てる場合は敷地内に設置したぶんの料金が加算されます。

実際にわが家が受け取った電柱設置についての書類はこちら。

自宅の敷地内に電柱があるとき敷地料はいくら?デメリットは?移設はできるのか紹介に使用している東京電力から受け取った電柱敷地料についての書類

(参考:電気通信事業法施行令

 

自宅の敷地内に電柱があるデメリット

自宅の敷地内に電柱があるとき敷地料はいくら?デメリットは?移設はできるのか紹介に挿入する街並みの画像

電柱は低いものでも10メートル以上あり、それなりにデメリットが発生します。

家を建てる際などに新しく土地を購入する場合は、よく確認しておくといいでしょう。

ここでは、私が参考になったと感じたデメリットをご紹介します。

 

車などの出し入れの邪魔になる

電柱は主に道路に面した場所に設置されることが多いため、駐車場に設置した場合などは車などの出し入れの邪魔になってしまうかもしれません

外構工事をこれからおこなう方は、車や自転車の出し入れの導線上に重ならないように設計することで回避できるでしょう。

 
はるちん
わが家は家の裏手、出入りの邪魔にならない場所に設置する予定です!

 

家の見た目が悪くなる

大きな柱や複数の電線がとおるため、どんなに外観や外構にこだわったとしても、家の見た目が悪くなってしまうことを気にされる方もいるでしょう。

住宅の裏手などの目立たない場所にある場合はそこまで見た目にも邪魔にならないかもしれません。

しかし、玄関などの家の表側にある場合は、毎日目に入るため、見るたびにうんざり……なんてことも。

設置されている場所によっては、家の中の窓からも見えて気になってしまったり、日陰になってしまったりしてしまうこともあります。

住宅の設計時や電柱の場所を移動する際は、事前によく確認するようにしましょう。

 

鳥のフン害

鳥のフンにはウイルスや細菌が含まれているので、病気や感染症の問題が心配な方も少なくないでしょう。

そんな方は、所有者に連絡し、鳥よけ用のワイヤーを張ってもらえるか確認してみてください。

会社や状況によりますが、無料で設置してくれる場合もあるようです。

 
はるちん
カラスが巣を作ることもあるため、わが家も鳥よけ用のワイヤーをお願いする予定です

 

建て替えの際に邪魔になる

敷地内に建っていた家を建て替える際に、建設できる場所が限定されてしまうことも珍しくありません。

また、新しくカーポートなどを作る際に電柱が邪魔になることも。

敷地面積が限られている場合は特に注意しましょう。

 

点検時など敷地内で作業がある

年に数回程度ですが、作業員が点検や作業にやってきます。

作業するにあたり、工事の騒音やトラックの出入りなどが予想されるほか、窓の位置によっては家の中が見えてしまうことも。

気になる方は、作業中はカーテンを締めておくなどして対策をしましょう。

 

電柱の移設はできる?できないのはどんなとき?

自宅の敷地内に電柱があるとき敷地料はいくら?デメリットは?移設はできるのか紹介に挿入する作業服の男性の画像

自宅の敷地内に電柱があるせいで生活が不便になってしまった場合、移設できるケースがあります。

また、状況によっては撤去ができるかもしれません。

移設によって発生する工事費用などは負担してもらえることが多いようですが、ケースによっては自己負担になるケースもあるので、事前の相談や交渉が大切です。

 

使っていない古い電柱は撤去も可能

電線などが架かっていない、現在は使っていない電柱であれば、撤去してもらえるかもしれません。

長い間空き家だった土地などで見られ、撤去に費用がかかるため放置されていたケースが多いようです。

現在使っていない電柱はほとんどの場合老朽化が進んでおり、台風や地震などで倒壊する危険があるため、撤去した方が安全ともいえるでしょう。

使っているかどいうかの判断も含め、所有者に調査を依頼してみてください。

 

公道へ移設する

デメリットも心配だし、できることなら公道へ出してしまいたい、と考える方も少なくないでしょう。

公道に移設する際は、自治体など土地の所有者の許可が必要です。

しかし、自宅敷地内に電柱が設置されている場合、歩行者の安全確保や緊急車両の通行幅を確保する目的で敷地内に設置されているケースが多く、許可がおりないことも珍しくありません。

 
はるちん
わが家の場合はまさにこれで、緊急車両の導線確保のために自宅への設置依頼がきました!
逆に公道に移動するのは難しいかもしれません

交渉次第にはなると思いますが、時間がかかるのは覚悟しておいた方がいいでしょう。

 

自分以外が所有している土地へ移設する

電柱の場所を変更するもうひとつの方法は、自分以外が所有している土地へ移設する方法です。

とはいえ、近隣の土地といっても持ち主がいますので、所有者の許可が出なければ移動はできません。

空き家の場合でも所有している土地に電柱があるメリットがないため、断られてしまうことも少なくないでしょう。

ご近所トラブルに発展してしまう可能性もあるため、あまりおすすめしない方法です。

 
はるちん
将来的にご近所さんが土地を手放すときに「売れないのはあちらのお宅から電柱を動かしたせいだ」なんて言われても責任が取れません……!

 

自宅などの敷地内で別の場所へ移設する

最後に、同じ敷地内の別の場所へ場所を変更する方法です。

電柱を所有している会社などに、「電柱があるせいで困っている」旨を具体的に相談しましょう。

 
はるちん
「見た目が格好悪いからどこかにやってほしい」という理由ではただのクレームになってしまうので、「車を入れるときにぶつかりそう」などの具体的な理由を申し出るようにしてみてくださいね!

もし、しばらく使っていなければ、撤去してもらえるかもしれません。

 

移設先の地下に埋没物があるときは不可

地下には、水道管やガス管、電力ケーブルなどが埋まっている場所があります。

希望した移設先の地下にこうしたライフラインがあるところには、移動できません

 
はるちん
別の場所を探すのがベストです!

 

1m以内など移設先が近いときは不可

電柱の場所を変更する際に、安全性が確保できない場合は希望通りの場所に動かせません。

新しい電柱を立ててから電線を架け替え、古い電柱を引き抜くため、移動する距離が近い場合、電柱同士が接触してしまうなど、安全に工事できない可能性があるのです。

 
はるちん
もし電線が切れてしまったりしたら、と思うと恐ろしい……!

 

住宅密集地など、ほかにもさまざまなケースが

住宅密集地の場合は、近隣との境界線が近いため、安全性が確保できないなどの理由で移設できないことがあります。

そのほかにも、さまざまな理由で移設できないケースがあるため、家の建て替えやカーポートなどの建築を検討している方は建築会社ともよく相談しましょう。

「見た目が格好悪いから」などの自宅の見た目のために場所を変更したい場合は、全額自己負担というケースもあるそう。

電柱を移設する際の費用は約15万から40万、電柱に付属する支柱などがある場合は更に上乗せになり、大きな出費になってしまうかもしれません。

 

まとめ

自宅の敷地内に電柱があるとき敷地料はいくら?デメリットは?移設はできるのか紹介に挿入する街並みの画像

自宅の敷地内に電柱がある場合、電柱敷地料を受け取れます。

もしもご自宅の敷地内にこれから設置する場合は事前にデメリットを理解したうえで、設置するかしないかを検討してみてくださいね。

また、すでにご自宅の敷地内に電柱がある場合は、電柱敷地料を受け取っているか確認し、受け取っていない場合は電柱の所有者に確認することをおすすめします。

宅地の場合、電柱敷地料は1年あたり1,500円、3年に一度4,500円が指定の口座に振り込まれますので、ぜひ確認してみてください。

電柱が日常生活を送るうえで邪魔になってしまっている場合は、場所を移動できるかもしれません。

移設できるかどうかは実際に調べてみないとわからないため、まずは所有者に確認してみましょう。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!